・・・完全に、手遅れだった。
SOS発信を受け、我々 −RK遊撃機動部隊− がその空域に到着した時には、すでに全てが終わっていた。
<強烈なビームによると思われる焼け痕をその表面に残す、無数の破片。
そこには、「DINOSOUR」の文字。
・・・それは、冷凍状態のRK(なかまたち)を輸送していた貨物機・・・無残に変わり果てた「ダイノソア」の姿だった。
ほんの数10分前の惨劇。・・・その跡を無情に映し出すモニターの前、唇を噛み締め、言葉もなく立ち尽くすRK達。
#25・ピャティが、怒りを拳に乗せ、オペレーションコンソールに叩きつける。鈍い音。
「・・・なかった・・・」
消え入るような、かぼそい声。
常に積極的で勇猛果敢な生物兵器・RK達。そんな彼女らからは想像もつかない弱々しい声の主を、全員が振り返る。
・・・そこには、CRK #02・セーピアがいた。
普段のクールな彼女の姿からは想像もつかない、震える声。うつむきがちの顔。そして青ざめた表情。
「・・・どしたの?」
#26・シェスティ。仲間達の輪に入ろうとしないセーピアを気にかけ、いつも誘おうとしている彼女。
いつものように、セーピアの元に駆け寄る。
下から覗き込むように、セーピアの顔をうかがうシェスティ。・・・その表情が、はっと凍りつく。
セーピアは、ぼろぼろと大粒の涙をこぼしていた。
「・・・わたし、救えなかった・・・・・あの時、もう誰も死なせないって・・・誓った・・・のに・・・」
・・・あとは、言葉にならなかった。
今まで、常に冷静で何事にも感情を乱さなかったセーピア。
その彼女が・・・シェスティの胸に顔をうずめ、号泣している。
「・・・違うよ・・・セーピアのせいじゃない・・・セーピアのせいじゃ・・・ない・・・から・・・・・・」
そう言うシェスティの声も震えている。涙声。
・・・泣きじゃくるセーピア、じっとその肩を抱くシェスティ。
かける言葉もなく、二人を見つめるRK達。
−−−強き者は、愛する者の為にのみ泣く。
・・・その日から、RK達のセーピアを見る目が変わった。
そして、セーピアもまた、少しずつ心を開いていった。
RK達の中で、確かに何かが変わりつつあった。
大事なものを守ることの大切さ。それを失ったときの無念や悲しさ。
その大切さを知り、無念を乗り越えて、兵士は戦士になるのかもしれない。
殺すために戦う兵士から、守るために戦う戦士へ。
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●解説:
・オレ設定オリジナルキャラ「CRK」の続編(?)です。
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●Copyright:
・ 2003 by GK2.(二次創作でCopyrightもなにも・・・(汗))