LOGO 10K

No.22 京都美山・鍋奉行

日時
11月8日(日)
(7:30〜18:30)
天候
晴れ
参加人数
9人
行き先
京都 美山
ルート
万博 小野原 今城町 宇ノ山千代原口
渡月橋 京北町(周山街道) 安掛 美山町
大野ダム(虹の湖)京都縦貫道丹波亀岡万博

吹田 8:00〜沓掛(60km)10:00〜清滝(72km)10:30〜中地ロードパーク(90km)11:30〜
美山
(133km)12:30-15:30〜大野ダム(155km)16:00〜道の駅マークス(174km)16:45〜
吹田万博
(230km)18:30
 230km
渡月橋 保津峡 周山街道 茅葺きの里
R9沓掛GSWC 清滝 R477中地ロードパークWC 茅葺きの里WC
大野ダムWC 道の駅マークスWC 竜仙峡WC 
昼食代 4000 高速代 800 民族資料館 300 
府道733、府道50は道が狭く、分岐点や対向車に注意を。
周山街道ではオーバースピードに注意。
保津峡  渓谷の対岸にはトロッコ電車が走る。
周山街道  景観、ワインディング共に文句なしに楽しめるルート。
茅葺きの里  昔懐かしの茅葺き民家が立ち並ぶ歴史の里。
民宿久や 茅葺き屋根の民家。囲炉裏を囲んでの心暖まる時間を過ごせる。
昼食のみでも可。要予約。ただし、先約や宿泊がある場合は不可。0771-77-0550

 

抜けるような秋晴れの下、30分遅れのツーリングが始まった。大阪万博外周を約半周し、小野原へ。進路を東にとり、高槻今城町を左折。から山ごえで嵐山を目指すことにする。今年は暖かい日が多く、紅葉にはまだもう少し時間がかかりそう。それでも峠を越える度に、山が色づき始めているのがわかる。夜中に冷やされた11月の空気は、ピーンと張りつめ、透明感があった。その中をバイクで切り抜けていく。

高槻の山を越え、やがてに入るが、これがなんと険しい道だったことか。狭いうえに高低差が激しく、カーブもきつい。思わず道を間違えたんじゃないかと不安になってくる。両側にうっそうと茂る竹林が、より一層その思いを強いものにする。と同時に、かろうじて京都に近づいていることも知らせてくれていた。しかしごみの不法投棄もあり、少し残念だった。分岐で少し迷うものの、を経て無事へと出た。


府道6号

府道6号

府道733号

府道733号

ガソリン補給をし、すぐの千代原口を左折する。に移って嵐山をめざす。交通量とともに人の数も増えてくるが、先程の道があまりにも寂しかったせいか気にもならず、逆に観光地を楽しむことができた。秋の一日を同じように楽しむ人達であふれる渡月橋を渡る。その下をゆっくりと流れる保津川。浮かんだボートの上でささやきあうカップル。橋の上では今日の想いを写真に残すべく、シャッターを切る人達。対岸では人力車が走っていた。


渡月橋

嵐山

清滝

みやげもの屋でごったがえす道を進むと、嵐山高雄パークウェイの看板。その看板通りにバイクを進める。そしてパークウェイには入らず、片側交互通行の細いトンネルを抜け、清滝で休憩。愛宕山に登る人達もたくさんみられた。

ここでUターンをし、再びトンネルを抜けてすぐの道を右へ入り、に入っての森林浴ルートを楽しむ。この道もけっして広くはないが、入ってすぐに見える保津川の清流が美しく、その向こうには山陰本線が旅の想いをかりたてる。やがてルートは木々の香りと共に、深い山の中へと進んでいく。こんな道でもこの時期、頻繁に対向車とすれちがう。注意深く走らなければいけない。やがて視界が開けたところ、京の山々を見下ろすと黄色いゆずが可愛く実っていた。に当り、そのまま京北町に向かう。途中、中地ロードパークで休憩をし、周山街道に入った。


道50号

道50号

中地ロードパーク

国道477号

完全整備された道。真っ青な空に緑豊かな山々。そして北山杉の香り。すべてが美しい。ライダーであることを実感し、感謝する一瞬だ。でもあるこの街道。自分の好きなペースで緩やかなワインディングを存分に楽しむ。やがて感動のルートは安掛でへ移り、いよいよの美山茅葺きの里へと向かうのだった。


国道162号

国道162号

県道38号

しばらく走ると、そのなかに日本の原風景とも言うべき、茅葺き屋根の山村が見えてきた。あわててアクセルをゆるめる。まるで時間が止まったかのようなその風景に、同化するために。ゆったりと流れる時間の中、京の山々に僕たちのエグゾーストノートがこだまする。


美山


美山

茅葺きの里

県道沿いの駐車場を過ぎたところを左に上って、茅葺き屋根の民家の細い道を進むと、民宿のおじさんが手を振って迎えてくれた。懐かしささえ覚えるその風景に茅葺きの宿。軒をくぐるとさらにその世界が広がった。高い天井に太い木の柱。その真ん中に「いろり」があった。旅の疲れを癒すかのように、いろりを囲んでお茶をすする。至福の時来る、である。そのいろりの上には煙が抜けるように工夫がしてある。またその煙が茅を内側からいぶして、持ちをよくするとか...。なんともはや無駄のない先人の知恵だこと。心やさしいおじさんとしばし語らいの時間をすごす。


民宿久や
さあ、早速昼ご飯にしよう。今回いただくのは、地鳥をふんだんに使ったすきやきだ。火をつけてしばらくすると、実にいい匂いがしてきた。ボリューム感満点のすきやきに、山の幸を使った煮物。つけものもある。そして何といっても、絶賛を浴びた金時のおこわ。おいしかったー。

地鶏のすきやき

リラックスした時間がゆったりと過ぎていく。この場を提供してくれたおじさん夫婦に、末永くお元気でと願わずにはいられなかった。しばらくしたところで、この山村を散策することにした。

まずは、民俗資料館を見学にいく。約1800年ごろに建造されたこの民家。その当時のエピソードも聞かれ、おもしろい。日本の美意識と、工夫に工夫を重ねた無駄のないその生活に感心することしきり。この美山の山村。それは、世界遺産に登録された白川郷とも又ちがう、茅葺きの里。その美しさなら、ひけをとらないであろう。民俗資料館を出て、少し歩いてみる。田畑広がる昔の風景そのままの、山里の景色をこの目に焼き付けたところで、現実の時は刻んでいた。


民俗資料館

民俗資料館(屋根裏)

民俗資料館

県道4号

民宿久やに戻り、お礼を言って出発の時間となる。セルの音がやけに悲しく響いた。バックミラーに写る景色に、何度も何度も目をやった。やがて消えてしまうまで。


大野ダム

大野ダム

安掛からルートは、往路とは違う由良川リバーサイドウェイを選択。しばらく走ったところの虹の湖、大野ダムで休憩。バイクの傍らで湖面をながめるぼくの足元に、一枚の紅く色づいた木の葉が舞い落ちてきた。ひとつの季節が終わろうとしていた。

府道からやがてを丹波へ。さらに京都縦貫道に入って、亀岡まで進む。経由で茨木街道に移っての山ごえを敢行。日もどっぷりと暮れた山中、冷え込みが厳しい。かじかむ手をエンジンで暖めながら走る。やがて街の明りを目にしたとき、98年のツーリングも終わりを迎えようとしていた。


ツーリングレポート目次へ     トップページへ